歯周形成外科
歯周組織の問題は歯周ポケットや歯槽骨の喪失だけではありません。日本人の多くは歯肉が薄く、またその下の骨(歯槽骨)も薄い人が多いといわれています。実際臨床の現場で観察すると、確かにそのような傾向が見られます。そのような人はちょっとしたことで歯肉が下がりやすく、一度下がった歯肉は元通りになることはありません。これらは見た目が悪いといった審美的な問題だけでなく、冷たいものがしみる、虫歯になりやすいなど機能的な問題も抱えています。また、口蓋に見られる比較的硬い歯肉(「角化歯肉」といいます)は熱や硬い食物に対して抵抗性を持っています。角化歯肉は歯の周りにも見られますが、それが元々少ない人もいます。これらは必ず障害になるわけではありませんが、歯ブラシで傷が付きやすく痛くて歯が磨きづらいなど、間接的な問題となることがあります。
これら歯肉-歯槽粘膜の問題を解決する方法が「歯周形成外科」です。角化歯肉はないところにいきなり増やすことはできません。1)周りの角化歯肉を少しずつ寄せるか、2)豊富にある部分(多くは口蓋)から移植するか、です。また、差し歯など被せて治す場合も、角化歯肉が多い方が少ない場合に比べて予後がよいとされています。当医院ではこれらの問題のある箇所に積極的に形成外科を行っているわけではありませんが、患者さんからのニーズが多様化した現在ではそれらに応えられるようにしていこうと思っています。
| 歯肉が全体的に下がっていることを主訴に来院されました。特にひどいのが右下の犬歯付近で、ここについては手術を受けてでも治したいとのことでした。このような状態を歯肉退縮と呼びますが、原因は大きく分けて二つ考えられます。一つは強く歯を磨きすぎること、もう一つは歯ぎしりなどの噛み合わせの不具合です。必ず事前の診査により原因を除去しておかないと、手術をして元通りになったとしても、またすぐに下がってしまいます。この症例では口蓋より結合組織を採取し、右下犬歯の部分に移植しました。 | |
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| 下は術後の状態です。術中の写真は痛々しいので割愛させていただきました(笑)。 | |
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| 左上に装着されているブリッジの支台となっている犬歯の歯肉が大きく下がっています。 | ブリッジをやり直すことにしましたが、このままやり直すとおかしな形態になってしまうため、下がった歯肉の形成外科処置を行うことにしました。 |
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| 口蓋より結合組織を採取し、移植した直後です。ちょっと痛々しい…。 | 術後の状態です。まだ仮歯ですが、術前に比べて自然な形態となっています。 |
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歯周形成外科症例3 インプラント周囲への遊離歯肉移植術
女性 初診時41歳 非喫煙者 |
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| こ の方は右下の第2大臼歯が割れてしまい、残念ながら抜歯となってしまいました。下の写真はすでに抜歯した後ですが、その部分にインプラント治療を計画しま した。ところが外側の歯肉は丈夫な歯肉が少なく(「角化歯肉」といいます、白っぽく見える部分です)、また手前の第1大臼歯も同じく、歯の根の面が露出し てきています。このような状態では今後のメインテナンスに支障を来すので、角化歯肉の移植を計画しました。 | |
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| 角化歯肉がない部分に突然増やすことは魔法使いでもない限り無理なので、通常は豊富にあるところから持ってきます。多くの場合口蓋からです。左下が移植した直後、右下は口蓋部分の写真です。ちょっと痛々しいですね。。。 | |
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| 術 後1年経過した状態です。外側には角化歯肉が充分なほど存在しています(色調が少し異なる部分)。すでにインプラントも植立されています。遊離歯肉移植と 結合組織移植の違いは、端的にいえば移植片に皮が付いているか(遊離歯肉移植)いないか(結合組織移植)、です。難度や適応症が異なるため、症例により使 い分けます。 | |
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