2007年06月 A[JCu

歯科人間ドック

根管治療

インプラント治療

残念ながら歯を失ってしまった場合、その本数が少なければ両隣の歯を削ってブリッジという方法も採れますが、多くの歯を失った場合は義歯もしくはインプラント(人工歯根)が適用されます。またブリッジの場合、健康な歯を大きく削らなくてはならない場合もあり、そのような場合にもインプラント治療を選択した方がよい場合が多いです。 

このページではインプラントの症例をご覧になれます。当医院で用いているインプラントはアストラテックといい、全世界で多くのシェアを占めているシステムの一つです。インプラント治療にはその手術の回数により「1回法」と「2回法」に分けられますが、アストラテックはそのどちらにも対応が可能です(基本は「2回法」です)。治療期間ですが3~8ヶ月程度を要しますので、その点はご留意ください。治療費は1本35万円程度です。インプラント治療は失った歯が蘇ったような感覚であり、確かに何でも噛めるようになる満足度の高い治療法ですが、歯が失った原因をそのままにしておけばインプラントも天然の歯と同様悪くなります。インプラント自体はチタン製ですので決して虫歯になることはありませんが、歯周病と似たような症状になることはありますので、術後の管理は天然の歯以上に重要となります。くれぐれも油断せぬよう!ちなみに日本ではインプラント専門医の数がまだ少なく、多くの歯科医院で普通に行われていますが、アメリカではインプラント治療は歯周病専門医が行う場合が一般的です。

インプラント治療症例1 右下奥 2本植立
右下奥にブリッジが装着されておりましたが、奥の土台となっている第2大臼歯の手前の根が歯周病が進行し、抜歯となりました。その部分に2本のインプラントを植立する計画を立てました。
下は1回目の手術直後のレントゲン写真です。 下は2回目の手術直後の写真です。
その後傷が治るのを待って、下のようにセラミック冠を装着しました。インプラントは自分の歯が蘇ったような感覚で、義歯と比べるとやはり違和感もなく何でも噛めると、患者さんの満足度も高い治療法です。
 

インプラント治療症例2 左上奥 1本植立(上顎洞底挙上術含む)
左上の第2小臼歯が失われてしまいました。ブリッジも考えられましたが、手前の第1小臼歯を大きく削ることがためらわれたため、インプラント治療を行うこととなりました。
左 下は術前のレントゲン写真です。矢印の線の部分は上顎洞底線といいます。人間の頭の中はいくつかの空洞がありますが、その一つに上顎洞があります(副鼻腔 の一つです)。患者さんによっては上の奥歯の根の近くまで上顎洞があることもしばしばで、そのような方にインプラント治療を施す場合、上顎洞底を挙上する 処置が必要となります(インプラントが突き抜けてしまいますから!)。右下はその処置を行い、インプラントを植立した後のレントゲンです。
その後通法に従い2回目の手術およびセラミック冠を入れました。まるで歯が生えてきたかのようですね。下はそのレントゲンです。

ブリーチング・ホワイトニング

歯を削ったりすることなく薬剤を用いて歯を白くするホワイトニング(ブリーチングとも言います)も、審美歯科同様時代のニーズに合わせて脚光を浴びつつある分野でしょう。「きれいになりたい!」という思いは老若男女を問わず、誰にでもある感情ではないでしょうか。そしてホワイトニングはそのような思いに最も手軽に、そして効果的に答えられるオプションだと思います。
当医院で行っているホワイトニングは、ご家庭で患者さん自身が行うホームホワイトニングと、歯科医院にて術者が行うオフィスホワイトニングを取り混ぜた、トータルホワイトニングという方法を採用しています。
笑顔の印象を左右するのは、口元です。あなたもホワイトニングですばらしい笑顔を手に入れてみませんか?

 

症例1 37歳 男性 非喫煙者

患者は非喫煙者でしたが、ご覧のようにステイン(着色汚れ)が下の前歯を中心にかなり目立sに思います。
ホワイトニングに先立って、まずクリーニングをして、歯石とステインを落とします(ここまでのコースもあります。ホワイトニングに比べて格安な設定になっています)。
その後、過酸化尿素という薬剤を用いてホームホワイトニングを行ってもらいました。1日2時間で、2週間続けてもらいます。下の写真は2週間後のホームホワイトニングが終わった直後のものです(比較のため、上の歯のみを行っています)。まだ、多少黄ばみが残っています。
その後、オフィスホワイトニングを行いました。下の左がその時の写真、右が術前の写真です。比較してみてください。ホワイトニングを行うと、歯の表面もつるつるになります。
約5ヶ月後、左下のように多少後戻りしてきました。また、ステインも少し付いています。そこで追加ホワイトニングを3日間行いました。それが右下です。
個人差はありますが、通常3~6ヶ月に1回追加ホワイトニングを行うことで、白さが保てます。追加ホワイトニングは2~3日で効果が出ます。

 

症例2 27歳 女性 非喫煙者

症例1と同じく、非喫煙者の症例です。まずクリーニングを行い(下左)、続いてホームホワイトニングを行いました(下右)。右上の2番目の歯は神経が取ってあるため、色が変色し褐色となっています。ホームホワイトニングの期間はやはり2週間でした。
その後オフィスホワイトニングを行いました。術前(上左)と比較してみてください。

2症例とも術中・術後の不快感はありませんでした。白くなる程度は個人差があるため、一概にはいえませんが、少なくとも術前よりは白くなります(まれに効果の上がらない方もいます)。残念ながらホワイトニングで手に入れた白さは永遠のものではありません。そのため、必ず定期的な診査・診断を受け、継続的にご使用下さい。また、着色の原因となる喫煙や食べ物の摂取については控えた方が無難なようです。
なお、費用については(症例により異なりますが)15,000円から(消費税別)です。

メインテナンス(PMTC)

治療を終了した後、良好なお口の状態を維持管理するためにメインテナンスは欠かすことができません。一度歯周病に罹られた方は、再発が多いとの報告があります。不治の病というわけではありませんが、治ったといっても溶けた骨が再生して戻るわけではなく、その多くは歯肉と歯の弱い結合が得られるだけなので、プラークコントロールをさぼったりするとまた歯周ポケットができてしまうのです。また、一生懸命治療を受けても(私たちが行っても)、歯周ポケットが完全に治らない場合もあります。だから、もうこれで来なくてもいいということは、残念ながらありません。

当医院ではメインテナンスとして、口腔内診査、ブラッシングを中心とした口腔衛生指導、歯石除去などを行っていますが、歯周病に罹られた方、虫歯の多い方、たくさんの修復物を入れられた方にはPMTCをお勧めしています。

PMTC、耳慣れない言葉かもしれません。PMTCとは「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」の略で、「歯科医師・衛生士のように特別な訓練を受けた専門家により、器具とフッ化物入りペーストを用いて、すべての歯面の歯肉縁上および縁下1~3・のプラークを機械的に選択除去する方法」となってます。

最近PMTCが浸透してきた背景として、患者さんののホームケアを中心としたプラークコントロールだけでは、健全な口腔衛生状態を保つことが難しいことが明らかになっています。患者さんだけではコントロールしきれない部分を見つけ出し、そこを専門家が維持管理していくことで、私たちと患者さんが共通の目的を持つことができ、より強い信頼関係が生まれるものと考えています。

今やPMTCは、予防歯科にとって欠くことのできないシステムとなりつつあります。

 

[PMTCの手順]
プラークの染め出し,研磨剤の塗布,歯と歯の間の清掃研磨,そのほかの部分の清掃研磨,洗浄,フッ化物の注入の順に行います。
左 は主に使用する器具とチップ(先端)です。チップには左下のようなプラスチック製のものを多く使用しますが、場合によっては右下のような金属製のものや、 木製のものを使用します。これらのチップをPMTC用の器具に取り付けると、目に見えるくらいの速度で前後運動をし、歯面を研磨していきます。
実際に歯と歯の間の清掃研磨を行っているところです。 そのほかの部分の清掃研磨には下のようなブラシや、ゴム製のチップを使用します。
清掃が終わったら、下のような含嗽剤でお口の中を洗浄します。 最後に歯面にフッ化物を塗布して、虫歯と知覚過敏の予防をします。
左 は実際に当医院の歯科衛生士がPMTCを行っているところです。痛みは全くなく、むしろ気持ちの良さに施術中に眠ってしまう患者さんもいるほどです。時間 は1回あたり60~90分で、終わった後はつるつるの歯面が確認できることと思います。これを1~3ヶ月に1回の割合で受けることで、歯周病の進行を抑制 したり、虫歯の発生を抑えることが可能となります。

義歯

これまで再三にわたり予防の重要性を説いて参りましたが、残念ながらすでに失われた歯については元に戻ることはありません。そのような場合、何らかの方法で失った部分を補い、機能と審美の回復をはかりますが、その方法は大きく分けてインプラント(人工歯根)と義歯になります。ここでは義歯(総入れ歯と部分入れ歯)の症例をご覧になれます。部分入れ歯に関しては、合わない義歯を入れると噛めない・痛いだけでなく、残った歯の寿命を縮めることにもつながりかねません。残存歯のことを考えた、きちんと設計された義歯を入れるべきだと思います。総入れ歯に関しては、自分の歯が全部あった頃に比べて咬む力が3分の1くらいに落ちるといわれています。なるべくよく噛めて、痛くない義歯を装着するとよいでしょう。

 

症例1 前歯6本のみのコーヌス義歯 女性 初診時58歳
歯周病の急性発作を主訴に来院されました。上顎には8本しか歯が残っておらず、うち2本は抜かなければならない状態でした。初期治療、外科処置、矯正治療を行った後、義歯を入れることになりました。
初診時全体像
初診時上顎
奥歯がなく、残った前歯にも動揺が多少残ったので、義歯の設計は難しいものがありましたが、動揺に対する固定効果があり、引っかける金具が見えないコーヌス義歯にすることとしました。
義歯をはずした状態。残った歯に内冠というものを装着します。
義歯を装着した状態。金具やバネがないため審美的であり、義歯と残存歯がほぼ一体化するのでよく噛めます。
症例2 総入れ歯 女性 初診時69歳
義歯を作り直したいということで来院されました。診査の結果、歯は何本か残りますが、差し歯にはできない状態でしたので、根だけ残し上から総入れ歯を入れることにしました。根だけの状態になっても、自分の歯で噛んでるという感覚は残ります。
まず始めに治療用の義歯を作り、これを使って「噛むトレーニング」をしていきます。体がけがをしたときにリハビリテーションをするような感覚で、お口やあごの機能の回復をはかります。治療用の下の義歯は右下の矢印のように奥歯がフラット(平ら)です。これによりあごの関節や筋肉を調整し、正しい位置で噛むことができるようになります。
この治療用義歯をしばらく使っていただくと、下の左のようにフラットな面に跡が付いてきます。また、同時に義歯の内側も、痛みをあまり感じないような柔らかい素材で何度か繰り返し裏打ちをしていきます。その結果、この義歯でほぼ不自由なく噛めるようになります。
治療用義歯で痛くなく噛めるようになったら、同じ形で最終的な義歯を作ります。こうして完成した義歯は、すでにぴったり合ったものとしてできあがっていますから、入れた後もよく噛めますし、痛くなることもあまりありません。・

咬合治療

噛み合わせは重要です。噛み合わせが悪いと、その歯が痛くなったりあごの関節が痛くなるだけでなく、全身にまで影響が出る場合もあります。肩こりや偏頭痛、姿勢が曲がるなどといった症状です。歯医者でつめたり被せたりしたとき、少し噛み合わせに違和感を感じたことがありませんか?小さなものでもそれが歪みとなり、忘れた頃に症状が出てくる場合もありますので、歯科治療にも注意が必要です。また、歯並びの悪い人、歯が抜けたままになっている人も要注意です。ほかに、精神的なストレスや歯ぎしりがあごの筋肉を高ぶらせ、噛み合わせのバランスを崩すこともあります。噛み合わせの診査ができるのは歯医者しかいません。噛み合わせに変調を来したときはできるだけお早めにご相談下さい。また、噛み合わせの治療は非常に根気と時間が必要です。どうかあきらめずに通院してください。

 

症例1 男性 初診時37歳 主訴 左下のブリッジがはずれた
左下のブリッジがはずれたのが来院理由でしたが、実際は多くの問題を抱えての来院でした。噛み合わせはご覧のような状態で、噛み合わせの平面が乱れており凸凹なのがわかると思います。このような状態では食べ物も噛みづらいでしょう。歯周病も進行した状態でした。
歯 周病の初期治療、歯の神経を取る治療と平行して、咬合治療を開始しました。奥歯の形の悪いブリッジをはずし、仮の歯に交換します。この際、仮の歯は理想的 な咬み合わせの平面にほぼ一致するように作製します。理想的な咬み合わせの平面とは、両耳と鼻の下を結んだラインと平行とされています。このような仮の歯 に細かい調整を加えることで、より噛みやすい歯へと整えていきます。
ちなみに当医院では歯を削るときは左のような拡大鏡を用いて行い、仮の歯の調整は削ったところをきれいにカバーできるよう右のような20倍の顕微鏡を用いて合わせるようにしています。
仮の歯の調整の後咬み合わせに問題がないことを確認して、型を取り最終的な歯を入れました。仮の歯は審美的な回復だけでなく、洋服でいう仮縫いのような状態まで持っていきます。ご覧のように、ほぼ理想的な咬み合わせの平面にすることができました。

虫歯治療

虫歯治療というと、悪い部分を削ってつめる、と考えている人がほとんどだと思います。いえ、歯科医の中でさえそのように考えている人が圧倒的に多いのではないでしょうか。本当の意味での虫歯治療とは、虫歯ができた原因を追及し、その原因を排除することです。虫歯とは、お口の中の細菌が私たちの食事から養分を摂取して排泄した酸によって歯が溶けてしまう現象をいいます。歯や生体の抵抗力、虫歯の原因となる細菌、食事に含まれる糖、そして誤った食習慣など、いくつかの要素が複雑に絡み合い、その結果虫歯ができるのです。虫歯を予防するためには、これらの要素を知り、それぞれをコントロールしていくことが重要です。そのため当医院では、虫歯の多い患者さんに虫歯リスクテスト(CRT=Caries Risk Test)をお勧めしています。検査は簡単、一定時間で唾液を採取するだけで、2日後には結果がわかります。

 

 

虫歯リスクテスト(CRT)の内容について
CRTは主に唾液の検査と問診によって行われます。唾液の量と性状を確認し、唾液の緩衝能(酸を中和する能力)、お口の中の細菌レベルを唾液によって調べ、問診により食事の内容や回数、フッ化物の使用状況を調べます。
ミュータンス菌のコロニー(群生)
ラクトバチラス菌のコロニー(群生)
ミュータンス菌は歯に穴をあける虫歯の直接の原因菌、ラクトバチラス菌は虫歯の進行に大きく関わる細菌です。それぞれコロニーの密生度で、保菌レベルを判定します。左は唾液の緩衝能を調べているところです。先端の色の変化によって、緩衝能の高低を判定します。
CRTにより虫歯の原因が明らかになると、カウンセリングを行い問題点をコントロールしていくようご指導いたします。カウンセリングでは、それぞれの患者さんに合った予防プログラムをお渡ししています。

当医院における虫歯治療の実際
CRTにて虫歯の原因究明とコントロールができたなら、後はあいた穴をつめる(修復する)治療です。当医院では、「なるべく大きく削らない」治 療を実践しています。以前は小さな虫歯でも大きく削って詰める(充填物がはずれにくい)治療が主流でしたが、歯は削られた分だけ弱くなりますし、術後に冷 たい水がしみるなどの症状が残ることがありました。最近は接着技術が向上し、下のような小さな窩洞(削った穴)でも充填物をはずれにくくすることが可能と なりました。
術前;歯と歯の間に小さな虫歯(白矢印)があります。従来でしたら元の金属をはずしたり、大きく削ることによって、充填物がはずれることへの抵抗性を持たせていました。
術後;虫歯になっている部分だけを削り、接着アマルガム法にて充填しました(白矢印)。削った歯質は最小限であり、元の金属もそのままです。
すべての症例を上記のような方法で行っているわけではありませんが、基本的な考え方は同じです。虫歯の範囲が大きく、削る量が多い場合はインレー(型を取って詰める金属やセラミック)やクラウン(冠)をお勧めしています。

審美歯科

最近何かと話題の多い審美歯科ですが、やはりこれは時代のニーズとともにのびてきた分野ではないでしょうか。審美を語る上で重要な要素は、「機能の伴わない審美はない」ということです。ただ美しいだけの歯ではなく、咬み合わせなどできちんと機能することこそがより重要と当医院では考えています。

 

症例1 オールセラミック冠 女性 初診時46歳
左上の犬歯の変色を主訴に来院されました。この歯は神経を取ってから10年以上経っていました。神経を取った歯はこのように何年か経つと変色してしまいます。ちなみに隣の歯は、従来通りの金属焼付陶材冠が装着されています。
通例通り根管治療を行い、金属の土台を装着した後、型を取ります。右の写真は技工士さん(義歯や冠を作る人)が、オールセラミック冠を作ったところです。
オールセラミック冠を装着しました。手前の金属焼付陶材冠に比べて、自然さが際だっています。また金属を一切用いないため、金属アレルギーの心配もありません。

 

症例2 ハイブリッドセラミックインレー 女性 初診時25歳
右下第二小臼歯が虫歯になっており、元々入っていたインレーをはずして虫歯の処置を行うと、金属の部分が広くなってしまうため審美的ではありません。そのため、セラミックインレーを選択しました。右の写真の状態で型を取ります。
左 は技工士さんが作製したハイブリッドセラミックインレーです。セラミックインレーの場合、入れた後割れやすいといわれていましたが、ハイブリッドセラミッ クスは従来のセラミックとプラスチックの中間的な材料であり、破折することはほとんどありません。右は装着した状態です。

金属アレルギー

冠・ブリッジ

歯肉ピーリング

歯だけでなく、黒ずんだ歯肉もきれいにすることができます。歯肉ピーリングといいます。審美のニーズが高まっている昨今ですが、歯がいくらきれいでも歯肉が黒ずんでいると、ね。

歯肉の黒ずみは喫煙される方には多いようです。そのような方には禁煙をお薦めします。

 

歯肉ピーリング症例1 男性 初診時20歳 喫煙者

↓左下が初診の状態です。歯肉の黒ずみを主訴にご来院されました。右下はピーリングの薬剤を塗布したところです。


約1週間後の状態です。黒ずみもほぼ取れて、きれいな歯肉になっています。 当医院ではレーザー治療は行っておりませんが、ご覧のように レーザーを用いた場合と遜色ないくらいきれいになります。費用は¥2,100(消費税込み)です。

MTM(小矯正)

わずかな歯並びの乱れでも歯周組織に悪影響を及ぼしたり、虫歯に罹りやすくなったりすることがあります。そのような場合、歯周病や虫歯の治療のみ行ってもまた再発するのは必至です。MTM(小矯正)は全顎矯正に比べて、期間も費用もかかりません。当医院では、疾患の再発防止に、そして疾患により悪くなった歯並びにMTMは非常に有効と考えています。

 

症例1 歯周病によるフレアリングの改善 男性 初診時48歳
歯周病の進行に伴い、咬み合わせが低くなり、前歯にしわ寄せがきてしまいました。この写真の時にはすでに初期治療、外科処置を終了し、歯周組織には問題のない状態です。
矯正用のゴムを用いて、前歯を中に入れていきます(同時に仮歯による奥歯の咬み合わせの改善も行っています)。
治療期間約1ヶ月半でこのように歯並びが改善しました。

 

 

症例2 歯牙の小移動 男性 初診時28歳
右上奥歯の違和感を主訴に来院されましたが、第二小臼歯が内側に生えており、清掃が行き届かず第一大臼歯が深い虫歯となり、抜歯を余儀なくされました。
第一大臼歯の抜歯後、第二小臼歯をきれいに並べていきます。
・凵Xにきれいに並んできました。
・ナ終的にはブリッジを装着しました。理想的な位置に歯が並んだため、歯の神経を取ることなく装着できました。

矯正治療(小児)

よりよい咬み合わせを育成するために、小児の比較的早期の段階で積極的に矯正治療を行っていく場合があります。「咬合誘導」または「咬合育成」といわれているものです。永久歯が生えそろうまでに、あごや歯列の発育を促したり抑制することで、抜歯をしないでの矯正治療が可能になります。お子さまの歯並びが気になる場合は、ぜひ一度当医院までご相談下さい。

症例1 下の前歯の乱れを主訴として来院 女児 初診時8歳
下 の前歯が生えてきましたが、歯並びの乱れが気になります。また、下の前歯が隠れるくらい上の前歯が出ています。検査の結果、下あごの成長が上あごに比べて 劣っており、その結果上あごが下あごより前に出ているような状態であることがわかりました。矯正治療の前には、このように必ず検査を行って、現在の状態を 分析することが必要であると考えています。
・カのような、上下の歯列弓を広げ、同時に下あごを前に出すような装置「機能的矯正装置」を作製し、装着しました。
・葡u装着後4ヶ月の写真です。若干下あごが前に出てきているのがわかります。
・サの後、通常の方法通りワイヤーとブラケットを装着し、歯を移動していきます。
上下4本ずつの前歯と第1大臼歯が適切な位置に移動しました。
矯正治療後は、移動した歯が元の位置に戻ろうとする性質があります。そのため前歯を裏側からワイヤーと接着剤で一時的に固定し、後戻り防止装置(リテイナー)を使用してもらい、経過を観察します。今後、乳歯が永久歯に生え替わり次第、治療を再開する予定です。

症例2 上下の前歯の乱れを主訴として来院 女児 初診時7歳

・ム見ての通り上下の前歯が一部反対になっており、乱ぐいも見られます。まず舌側弧線装置を使用して、上の前歯を外に出します。
舌側弧線装置を使用して2ヶ月半後、上の前歯が外に出てきました。
その後、ワイヤーとブラケットを装着し、歯の位置を整えていきます。ちなみに下あごは装置を用いて歯列弓の拡大を行いました。それによりスペースの改善がな され、乱ぐいを解消できるほどのスペースが確保できました。小児から始める矯正はあごの発育を促したり、逆に抑制したりすることで、歯の移動量を少なくす る、抜歯を回避するといったメリットがあります。
ワ イヤーとブラケット装着から5ヶ月後、下のように上下4本ずつの前歯がきれいに並びました。後戻りを防止するため、裏側からワイヤーと接着剤で一時的に固 定して、経過を観察します。この患児は乳歯の排列がよいので、おそらく今後手を加えなくてもきれいに永久歯が排列するものと思われます。

矯正治療(成人)

歯並びをよくする治療、矯正治療は見かけをよくするだけではありません。確かに治療の結果審美的にはなりますが、虫歯・歯周病に罹りにくくしたり、よりよい咬み合わせを育成することに本来の意味があるのです。

また基本的に、矯正治療は何歳から始めても問題ありません(ただし歯周組織が正常でなければなりません)。歯並びが悪い人は、歯が生えるスペースが確保できない場合がほとんどです。成人になってからも矯正治療を行うのに遅すぎるということはないのですが、多くの場合抜歯をしてスペースを確保する方法を選択します(主として第一小臼歯=4番目の歯が抜かれることが多いです)。一口に歯並びが悪いといっても、その状態や原因は千差万別です。そのため、矯正治療を受けられる方はまず検査を受けていただいてます。歯並びの気になる方は、まずはご相談下さい。

ここでお見せする症例は、第一小臼歯を抜くことなく矯正治療を行ったものです。

症例 女性 初診時25歳 開咬を主訴として来院
奥で咬んだときも前歯がすいてしまう「オープンバイト(開咬)」といわれる症状です。
とりあえず抜歯は行わず、側方拡大装置を用いて歯列弓(歯が並んでいるアーチ状の部分)の拡大をはかります。
歯列弓を拡大してスペースを確保した後、通常の歯並びの治療を行います。
治療後の状態です。矯正の治療期間は約2年です。

歯周形成外科

歯周組織の問題は歯周ポケットや歯槽骨の喪失だけではありません。日本人の多くは歯肉が薄く、またその下の骨(歯槽骨)も薄い人が多いといわれています。実際臨床の現場で観察すると、確かにそのような傾向が見られます。そのような人はちょっとしたことで歯肉が下がりやすく、一度下がった歯肉は元通りになることはありません。これらは見た目が悪いといった審美的な問題だけでなく、冷たいものがしみる、虫歯になりやすいなど機能的な問題も抱えています。また、口蓋に見られる比較的硬い歯肉(「角化歯肉」といいます)は熱や硬い食物に対して抵抗性を持っています。角化歯肉は歯の周りにも見られますが、それが元々少ない人もいます。これらは必ず障害になるわけではありませんが、歯ブラシで傷が付きやすく痛くて歯が磨きづらいなど、間接的な問題となることがあります。

これら歯肉-歯槽粘膜の問題を解決する方法が「歯周形成外科」です。角化歯肉はないところにいきなり増やすことはできません。1)周りの角化歯肉を少しずつ寄せるか、2)豊富にある部分(多くは口蓋)から移植するか、です。また、差し歯など被せて治す場合も、角化歯肉が多い方が少ない場合に比べて予後がよいとされています。当医院ではこれらの問題のある箇所に積極的に形成外科を行っているわけではありませんが、患者さんからのニーズが多様化した現在ではそれらに応えられるようにしていこうと思っています。

 

歯周形成外科症例1 生活歯への根面被覆(結合組織移植
男性 初診時38歳 非喫煙者
歯肉が全体的に下がっていることを主訴に来院されました。特にひどいのが右下の犬歯付近で、ここについては手術を受けてでも治したいとのことでした。このような状態を歯肉退縮と呼びますが、原因は大きく分けて二つ考えられます。一つは強く歯を磨きすぎること、もう一つは歯ぎしりなどの噛み合わせの不具合です。必ず事前の診査により原因を除去しておかないと、手術をして元通りになったとしても、またすぐに下がってしまいます。この症例では口蓋より結合組織を採取し、右下犬歯の部分に移植しました。
下は術後の状態です。術中の写真は痛々しいので割愛させていただきました(笑)。




歯周形成外科症例2 補綴物(被せもの)周囲への結合組織移植
男性 初診時38歳 非喫煙者
左上に装着されているブリッジの支台となっている犬歯の歯肉が大きく下がっています。 ブリッジをやり直すことにしましたが、このままやり直すとおかしな形態になってしまうため、下がった歯肉の形成外科処置を行うことにしました。
口蓋より結合組織を採取し、移植した直後です。ちょっと痛々しい…。 術後の状態です。まだ仮歯ですが、術前に比べて自然な形態となっています。



歯周形成外科症例3 インプラント周囲への遊離歯肉移植術
女性 初診時41歳 非喫煙者
こ の方は右下の第2大臼歯が割れてしまい、残念ながら抜歯となってしまいました。下の写真はすでに抜歯した後ですが、その部分にインプラント治療を計画しま した。ところが外側の歯肉は丈夫な歯肉が少なく(「角化歯肉」といいます、白っぽく見える部分です)、また手前の第1大臼歯も同じく、歯の根の面が露出し てきています。このような状態では今後のメインテナンスに支障を来すので、角化歯肉の移植を計画しました。
角化歯肉がない部分に突然増やすことは魔法使いでもない限り無理なので、通常は豊富にあるところから持ってきます。多くの場合口蓋からです。左下が移植した直後、右下は口蓋部分の写真です。ちょっと痛々しいですね。。。
術 後1年経過した状態です。外側には角化歯肉が充分なほど存在しています(色調が少し異なる部分)。すでにインプラントも植立されています。遊離歯肉移植と 結合組織移植の違いは、端的にいえば移植片に皮が付いているか(遊離歯肉移植)いないか(結合組織移植)、です。難度や適応症が異なるため、症例により使 い分けます。

歯周病治療(外科処置)

歯周病の初期治療が終わってもなお、歯周ポケットが存在する場合が少なくありません。歯周ポケットが深い場合はポケット内の歯石が取りきれていなかったり、歯の周りの骨が部分的に溶けていたりするのです。そのような場合は歯周外科処置をお勧めします。歯周外科により病的な歯肉と歯石を完全に取り除き、凸凹になった歯槽骨を整えることで歯周病の完全な治癒を目指し、ひいてはメインテナンスしやすくするのです。術後の腫れや痛みはそれほど気になるものではありません。

また、最近マスコミ等でも大きく取り上げられ、当医院でも症例が増えているのが「歯周組織再生療法」です。これは従来の外科処置では難しかった、失われた歯周組織(骨など)を再生しようとする目的の処置法です。症例2でご覧いただけます。


症例1 女性 初診時50歳 非喫煙者 主訴 歯肉が腫れた
左が初診時です。約4ヶ月の初期治療を行い、歯肉の状態は一見してよくなっていますが、依然として歯周ポケットが残ったままです。
初診時
初診より4ヶ月後
(初期治療終了後)
者さんとの話し合いの結果、歯周ポケットが残っている部位については歯周外科を行うことにしました。下の前歯の歯肉患は歯周ポケットが依然として6mm以上 あります。麻酔をして歯肉を剥離する「フラップ手術」を行いました。歯根面には取りきれなかった歯石(下の右写真白矢印の部分)が付着しているのがわかり ます。
病的な歯肉と根面の歯石をきれいに取り除き、歯石・プラークが付着しづらくするために根面を磨き、部分的に吸収して凸凹になった歯槽骨の形を整えます。その後歯肉を元の位置に戻し、縫い合わせます。術後の腫れや痛みはほとんどありませんでした。
下は治療後の状態です。そのほかの部位にも歯周外科処置を行いました。歯肉は若干下がりましたが、歯周ポケットはすべて3mm以内になりました。現在3ヶ月に一度PMTC(クリーニング)を行っています。


症例2 歯周組織再生療法 女性 初診時37歳 非喫煙者
症 例2では歯周組織再生療法をご覧いただきます。従来の外科処置の場合歯周ポケットの減少がその主目的であったので、失われた歯周組織(骨など)を回復する のは難しいですから、術後にどうしても歯肉が下がるなど、必ずしも満足がいただける治療法ではなかったことも確かです。まだ症例は限られますが、当医院で は条件が合致した方には歯周組織再生療法を積極的に行っており、多くの方にご満足いただいております。具体的には1)エムドゲイン・ゲルを塗布する方法2)GTR膜を設置する方法3)自家骨を移植する方法、の3つの方法があり、それを適宜組み合わせて行っております。本症例では3つ全て行いました。右上臼歯部に矢印のような深い骨欠損(骨が溶けた部分)があり、歯周ポケットも8mmとかなり深いです。
麻酔をし、歯肉弁を開いたところです。大きな骨欠損が確認できます。
下の写真の上に見えるのが自家骨と抗生物質を混ぜたもの、したに見える注射器に入ったものがエムドゲイン・ゲルです。エムドゲイン・ゲルは根の表面に塗布し、自家骨は骨が溶けて凹んだ部分に詰めます。
その後GTR膜(白い部分)を設置して歯肉弁を元の位置に戻し、縫合します。
術後約2ヶ月の状態です。術前と比べるとやや歯肉が凹んだ感じがありますが、時間の経過とともに徐々に目立たなくなっていきます。また、エムドゲイン・ゲルを使用した手術は、従来の方法と比べると、術後の治りも早いように感じています。痛みもほとんどありません。
・p前と術後のレントゲン写真の比較です。骨欠損がほとんど目立たなくなっています。歯周ポケットも3mm以下になりました。なお、歯周組織再生療法は保険外の治療となります(1カ所4~5万円程度です)。

診療内容

石谷歯科医院の診療の基本は『できるだけ削らず、神経をとらず、抜かない』です。以下の診療内容はすべて当医院における症例です。ごゆっくりご覧下さい。なお、クリックできない部分は症例準備中です。しばらくの間ご容赦下さい。

アクセス

千代田線北綾瀬駅より徒歩2分のところにございます。綾瀬駅0番ホームより「北綾瀬行き」にお乗り換え下さい。駐車場のご用意ございますので、お問い合わせいただければお取り置きしておきますのでお申し付けください。

 

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子供を歯医者に連れて行くときのコツ~歯医者嫌いになるかどうかはママ次第?

さあ大変!子供の歯になにやら穴があいているようです。歯はほかの臓器と違って、一度穴があいたりすると放っておいても治りません。必ず治療が必要です。しかし大人だっては医者に行くのはいやなもの、ましてや子供ならなおさらです。子供の頃に歯医者さんは怖くて痛いところという意識を持つと、大人になってからも引きずる人が多いもの。歯医者さん嫌いの子になるかならないかは、ママの腕にかかっています。

1.歯科医院選びのポイント
子供をいざ歯科医院に連れて行こうと思っても、どこがいいのか迷ってしまうもの。子供の歯は成長過程にあり、虫歯の治療にしても単に削ってつめればいいわけではありません。現在の状態と今後の歯の成長を考え、その子にもっとも合った治療方針を立ててくれるところがよいでしょう。また子供の歯は大人に比べて虫歯になりやすいものです。予防に力を入れてくれるところなら、さらにグッドです。次のポイントを歯科医院選びのご参考になさってください。

・将来の永久歯のことを考えながら、乳歯の治療をしてくれる。
・その子の発育のペースに合わせた治療方針を立ててくれる。
・必要な場合は、治療ができるくらい発育するまで待つという考え方をしてくれる。
・子供の扱いに慣れている(泣いても気にしない、あるいは子供は泣くものと思っている)ので、治療がスムーズに行える。

2.歯医者さんに行く前に
歯医者さんに行くことが決まったら、そのことを子供に知らせて心の準備をさせてあげましょう。虫歯にかかっている場合は、虫歯の恐ろしさと治療の必要性、親では虫歯を治せないことなどをできるだけわかりやすく説明してあげましょう。怖がったり嫌がったりしているように見えても、お母さんが一生懸命説明すれば、子供なりに理解してくれるものです。こうした準備が、当日の治療をスムーズにする助けになります。お母さんの心得として、次のことがあげられます。

・日頃から歯科医院を脅し文句にしない。
子供がわがままを言ったときなどに「歯医者さんでみてもらうよ」などの脅し文 句に使っていると、歯科医院=怖いところという意識がすり込まれてしまいます。

・「痛くない」、「今日はみるだけ」などと気軽にいわない。
連れて行く前に、お母さんがこうしたことをいってしまい、結局治療しなければならなくなったときに、子供はだまされたという気持ちになります。

・不意打ちで連れて行かない。
子供が行きたがらないことを心配して、何の説明もなしに突然連れて行くと、子供は心の準備ができていないので、必要以上に歯科医を怖がるようになります。

・子供の機嫌のよい時間帯を選んで予約する。
3歳くらいのお子さんなら昼寝の時間帯をさけて午前中に連れて行く、空腹時はさけるなどの配慮が必要です。子供の日頃の生活ペースを考えて予約を入れ、時間に余裕を持って出かけましょう。

3.歯科医院では
どんなに説明をしても、やはり当日になると歯科医院に行くのを怖がる子供は多いものです。そんなときは、かわいそうだからといって治療を先のばしにしないで、必要なものは必要であるということを示すため、毅然とした態度で連れて行きましょう。また、お母さんの心配や緊張は、すぐに子供に伝染します。歯科医院に着いたらお母さんはあくまでもリラックスしてください。歯の治療なんて全然平気だよという雰囲気で、ゆったり構えることが子供の緊張を和らげるのにも役立ちます。このときのお母さんの心得として、次のことがあげられます。

・当日はママがリラックスすること。
歯科医院に着いたら、お母さんはあくまでもニコニコとしてゆったりと構えること。子供と一緒になって緊張していては、子供がさらに怖がることにつながります。

・かわいそうだからと途中で連れて帰らない。
中には診療台に座るなり、大声で泣いたり暴れたりする子もいます。かわいそうだと思って途中で連れて帰ると、治療ができないばかりか、子供に嫌なことは泣けばすむという意識を与えることになってしまいます。

・「痛くなかった?」は禁句です。
治療後子供につい、「痛くなかった?」と声をかけてしまいがちです。痛くなかった?は痛いと同じ意味。治療中は我慢できたのに、これで泣き出してしまう子供もいます。

・治療ができたらきちんとほめてあげましょう。
我慢して治療ができたら、すぐにほめることが大切です。「すごいね」、「お母さんびっくりしちゃったよ」などと、子供の自意識に訴えかける言葉をかけてあげましょう。

4.治療後は
治療後家に帰ったら、お母さんだけでなく、家族中でほめることが大切です。子供の見えないところでお父さんと打ち合わせをして、とにかくお父さんにほめてもらいましょう。遠くに住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんにも電話で報告をしましょう。こうしたことが子供の自信につながり、治療に対する意欲がわくだけでなく、子供の精神的成長にもつながります。治療ができなかった子にも怒ったり、だめな子などとは決して言わないで下さい。次回に向けて次のような方法で親子で練習をしましょう。

・パパも巻き込んでとにかくほめる。
お父さんにも、お母さんと同じように「すごいな」、「がんばったな」などとちょっと大げさなくらいに驚いてもらいます。すると、子供に少しずつ自信がついていきます。

・次回の予定を必ず教える。
一度できたからといって安心してしまわないで。次回の予約の日も、きちんと教えてあげて下さい。カレンダーなどにシールを貼って、子供がすぐにわかるようにしてあげるのもよいでしょう。

・治療のできなかった子は練習してみましょう。
診療台に座れなかった、泣き叫んで治療ができなかったなどの子供は、歯医者さんの雰囲気に慣れるように、家で少し練習をするとよいでしょう。まずはお母さんの膝にコロンと横になる練習から。横になれたら3つ数えてから、ほめて起こしてあげます。だんだんと数を増やして60までできるようになったら、その姿勢でアーンと口を開ける練習をしてみましょう。

・虫歯ができたのは誰のせい?
はっきりいって、子供の虫歯は子供の責任ではありません。虫歯ができるのは歯ブラシの不足や、甘いものの食べ過ぎなど、生活習慣によって決まります。子供が虫歯になったのは、子供と一緒な時間を長く過ごす人(多くはお母さん)の責任であるといえます。子供が大変な思いをして治療を受けても、生活習慣が同じであれば、また虫歯はできます。子供の治療後はもう虫歯を作らないよう、お母さんが生活習慣の改善を考えましょう。

次回は「自費診療と保険診療について」でも書こうかな。

保険と自費の違いについて~その1 保険と自費の違いとは?

保険と自費の違いについて~その1 保険と自費の違いとは?
普通患者さんは医科・歯科を問わず受診された際、すべての治療に保険が利くと思っている方が少なくありません。歯科を受診された際に歯科医師から、「保険にしますか、自費にしますか」と聞かれ、とまどった経験をお持ちの人も多いことでしょう。 医科の場合、比較的新しい治療法や薬剤は積極的に保険診療に導入されていきますが、歯科の場合はあまりそういうことはありません。

歯科には保険診療を受けるか、保険を使わない自由な診療(自費)を受けるかという、全く異なる2種類の診療があると考えてよいでしょう。主な自費診療には次のようなものがあります。

・病気のない人の検査や予防処置(フッ素塗布、PMTC、虫歯菌・歯周病菌の検査など)
・歯列矯正治療(唇顎口蓋裂を除く)
・貴金属のクラウン、ブリッジ
・セラミックのクラウン、ブリッジ
・金属を多く使用した義歯(金属床義歯)
・インプラント(人工歯根)
・美容的な治療(ヤニ取り、ブリーチングなど)
・仕事上で生じた歯の病気やけが(労災保険が適用されます)
・けんか、交通事故などで生じた歯の病気やけが


これらをみると、高額の治療が多いことにお気づきだと思います。では保険と自費の違いはその用いる材料なのでしょうか。あるいは治療方法の質の違いなのでしょうか。答えはそのどちらでもありません。保険と自費の違いをひとことで正しく言うならば、「契約の違い」なのです。ですから保険の材料を使用して自由診療を受けることもできますし(実際そのような歯科医院は多くあるようです)、また逆に保険で認められていない材料や方法を保険診療の枠内で行ったとする歯科医院もあってよいことになります(こちらは実際にはほとんどないと思いますが、、、)。

このような話をすると、今まで歯科医院で保険と自費の違いをその材料や治療の質と説明を受けられた方は混乱するかもしれません。保険で冠を被せる場合、保険の種類によってその負担金は異なりますがおおむね5千円~1万円くらいの金額です。これが自費の貴金属の冠となった場合、もちろん歯科医院によりけりですが5~10万円くらいになります。保険で認められている金属かどうかだけの違いで、その金額が10倍にも変わるということがあるのでしょうか。これらのことを理解するためには、まず保険診療とはどういうものなのかを正しく理解する必要があるのではないでしょうか。

保険と自費の違いについて~その2保険診療の問題点につづく!

保険と自費の違いについて~その2 保険診療の問題点

1.日本の健康保険制度の仕組み~「現物給付」と「出来高払い」
今回は現在の保険診療の問題点について詳しくお話しします。まず、生命保険や火災保険といった、いわゆる「保険」を思い浮かべて下さい。これらの保険は、通常保険契約者と保険会社が契約を結び、その契約額に応じて月々の保険料を保険会社に支払い、何らかの災害を受けたときあるいは保険が満期になったときに、その契約に応じた保険金を契約者が受け取れる仕組みになっています。

それでは日本の健康保険制度はどうなのでしょうか。日本はご存知のように「国民皆保険制度」をとっていますので、原則としてすべての国民が「社会保険」か「国民健康保険」に加入しています(被保険者といいます)。そして保険の種類を問わず、その収入などに応じて被保険者は保険組合や自治体(保険者)に保険料を納めます。 そして被保険者が病気になったとき、受け取るのは「保険金」ではなく「医療そのもの」なのです。これが「現物給付」といわれている健康保険の特質です。医療を給付するのは医師ですから、「保険者」は医師でなくてはなりません。ところが現実問題として医師が医療行為と同時に医療事務を行うのは不可能であるため、保険者は医師を雇い入れ病院や診療所を作り、そこで被保険者の診療に従事させるという形態をとります。「社会保険○○病院」とか、「○○共済組合病院」といった名称の病院はいずれもこのような趣旨で作られ、そして現在の健康保険制度に最も合致した診療形態でもあるのです。しかし、この方法ですべての被保険者に医療を給付するのも現実的ではありません。そこで、保険者は全国で自由に診療している医師と契約を結び、自分の代わりに保険者に医療を給付してくれるよう依頼するという方法をとることになります。この依頼を受けた医師を「保険医」と呼びます。保険医は被保険者に医療という「現物」を「給付」し、その対価として保険者から「代金」を受け取るのです(一部負担金という形で被保険者からも受け取ります)。これが「出来高払い」といわれている健康保険のもう一つの特質なのです。病気や医療には様々な種類がありますから、それらを規定する「料金表」あるいは「メニュー」といった性質のものを作らなければなりません。そしてこれらを作る機関が厚生労働省であり、その責任者が厚生労働大臣という訳です。こうしてできあがった「メニュー」が、いわゆる「健康保険の枠」であり、前回ご説明した自費治療の一部はこうした枠からはずれているものなのです。「枠」は別の意味で「制限」といえます。後述しますが、日本の健康保険制度の大きな柱である「現物給付」と「出来高払い」が、実は治療に大きな制限を作り、その結果本来あるべき医療の姿が歪曲されているといえなくもないのです。

2.「現物給付」の問題点
日本の健康保険制度が現物給付が基本となっており、厚生労働省がその「メニュー」を作製していることは先程述べました。ここで問題となるのは、その「メニュー」を作る際の基準でしょう。その時代の先端を行く高度な知識や技術に裏打ちされた医療行為は常にこの枠内には入らないし、単に経済的な理由で枠からはずれる行為や薬剤もあります(特に最近は医療費の抑制を政府は目指していますから)。


ここで先程の「保険者」、「被保険者」、「保険医」の3者の関係を思い出してください。「保険者」と「被保険者」は契約を結び、同じく「保険者」と「保険医」も契約を結んでいます。ところが、「被保険者」と「保険医」との間にはそのような契約はなく、そこにはただ単に「医師」と「患者」の関係が存在するだけです。患者が同意するなら、医師は保険の「枠」にとらわれることなく、ベストを尽くして治療に当たるのは当然の責務といえます。患者のことを第一に考え、誠実に診療に従事している医師の診療行為が、しばしば保険外となってしまうのはある程度やむを得ないのではないでしょうか。「安くもない保険料を毎月納めてるのに、保険が利かない治療があるなんてけしからん」という患者さんの不満もわからなくはないのですが、「現物給付」という形での健康保険制度は、本来そうならざるを得ないということなのです。

3.「出来高払い」の問題点
それでは「出来高払い」にはどのような問題点があるのでしょうか。「現物」を「給付」したその対価として(すなわち医療行為を行うと)代金を受け取るのが出来高払いであると前に述べましたが、その医療行為の質や効果については全く関係なく、実際に何がどれだけ行われたかということで支払われるものなのです(これも後述しますが行われた行為についての審査はきちんと行われます)。医療費の額がこのような方法で決められるとなると、医療の「値段」は医療の「質」とは全く関係がなくなってしまいます。

一つ例をあげましょう。虫歯の患者さんが来院されたとします。麻酔をして削ってみたところ、神経を取るかどうかの瀬戸際だったので、高ぶった神経を静める薬を歯に詰めて経過を見たところ何とか神経を取らないで残すことに成功しました。このような行為は後で痛みが出る場合がありますので、それを嫌う歯科医師ははじめから神経を取ってしまうこと